「持続可能な医療福祉の提供体制の構築」を目指して
この度、壱岐医師会会長に就任いたしました品川でございます。江田前会長の下では、副会長として医師会運営に従事してまいりました。今後は、その経験を活かして、壱岐地域の医療福祉の向上に努めてまいります。どうぞよろしくお願い申し上げます。
今後の壱岐医師会の事業方針について、お話をさせていただきます。
我々の壱岐医療圏は、県内8つの2次医療圏の中でも、高齢化率が高い医療圏の一つであり、それは約40%に達します。日本の高齢化率の平均が約28%ですので、都市部の約10年先の状態となっています。
一方、出生数については、特殊合計出生率が約2.14(全国平均約1.33)と高く、全国1718市町村の中で第9位となっています。しかし、進学や就職を機に多くの若者が島を離れるため、社会を支える生産年齢人口はなかなか増えず、高齢化率を押し上げる要因となっています。
この高齢化に対応するには、医療と福祉を連携させ、質の高い医療や介護を効率的に提供する地域包括ケアシステムの充実が必要であると考えます。
そのためには医療機関や高齢者施設、障害者施設、地元自治体である壱岐市が連携をとりながら進めていく必要があります。幸い小さな医療圏だけに「顔が見える関係」が元々あり、他の医療圏と比べて非常に恵まれた環境です。今後は、そのアドバンテージを活かして、目標に向けて努力してまいります。
また離島医療圏ならではの課題もあります。緊急時の本土への搬送と安定した血液製剤の供給システムの整備、派遣医師による専門外来の充実、ICTを使った高次医療機関との連携等にも力を入れてまいります。
そして、新型コロナウイルスとの戦いも3年目を迎えましたが、依然としてパンデミックの終息にはほど遠い状態です。この2年間、当医療圏では、受診控えから特定健診やがん検診の受診率が15%程低い状態が続いています。このまま推移すると、近い将来、糖尿病、高血圧、高脂血症などの成人病や癌などの悪性疾患の増加が危惧されます。コロナ対策の強化はもちろん、コロナ禍でも安心して受診していただけるような環境整備にも努力してまいります。
誰もが住み慣れた土地で、最後まで安心して暮らすことができるよう、「持続可能な医療福祉の提供体制の構築」を目標に頑張ってまいります。
今後も皆様のご理解、ご協力をお願い申し上げ、私のご挨拶とさせていただきます。
令和4年11月吉日
壱岐医師会 会長
品川 敦彦
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社団法人 壱岐医師会 会長 品川 敦彦